留袖の裏地が変色

この5月、今までにないくらいに結婚式の着付けをご用命いただい手ます。最近は結婚式の着物姿が少ないと聞く事が増えていますが、今月は着付けのご用命が多いのです。ありがたいなぁ〜☆

こちらはあなたの素敵なきもの記念日をお手伝いする
布施弥七京染店の専務 布施 将英(@meibutsu_senmu)のブログです。

今回は、久々にタンスから出した留袖あるある

着物の中でも、もっとも裏地が変色しやすい代表的な着物

  1. 黒紋付
  2. 振袖
  3. 黒留め袖

です。なぜかというと、なかなか出番がない着物だから。
だからこそ、虫干しでもしない限り、着物のコンディションに変わっている事に気づかない。そういうことです。通常は胴裏や比翼部分に、ドットのような変色から始まるんですが、この留袖のような全体的な変色は非常に重度の変色ですね。なんでこうなるんでしょう?

胴裏や比翼は、変色しやすいんです。

着物をお持ちの方で、保管中に裏地(胴裏といいます)が黄ばんだりシミだらけになってしまったという経験をお持ちの方は結構たくさんおいでかと思います。そんな胴裏や比翼の変色やシミですが、「これはやっぱり着物の保管状態が悪かったんでしょうか?」とおっしゃいます。

確かに、保管の湿度や虫干し具合にも問題があるかもしれませんが、そもそも論で変色しやすいんです。その代表的な理由が二つ

生糸の状態のままでだから変色しやすい

裏地は糸のまんまで、染まっていません。だから変色しやすいモノなんです。絹は、元々真っ白ではなく、精練(せいれん)という作業を経て、皆さんがご存知の白さになります。絹の白さは、いわば漂白して強制的に白くしている状態なので、時間の経過と共に、空気中の酸素と結合して、元の黄色みを帯びた色に戻っていこうとします。これがうっすら別色に染めていればこんな事にはなりヅライのですが、基本的に絹糸は生きています。生きているからこそ、黄変しやすくなるんです。

裏地の最終工程に使うノリが変色の悪さを引き起こす

ここまでしっかりと、胴裏と比翼の部分の変色度合いが違う場合、これは胴裏部分につかってある「ノリ」が変色してきたと推測されます。一般的に裏地を作る最終工程に、若干量のノリを使います。化粧で言う所のうっすらファンデーションといった所でしょうけど、粗悪品の場合には目方を重くするために、増量剤という一種の糊を含ませているものがあり、そのような生地の場合、その増量剤自体が激しく酸化黄変を起こし、生地自体も変色させてしまうのです。

ここまでくると、もう変色が満遍なく行き届いているので、直す事は不可能。新しく生地を解いて新しい裏地で仕立て直す以外ありません。

今回の写真の生地の場合、比翼地と胴裏の変色具合が大きく違うので、保管環境の湿度の問題というよりは、元々の裏地の残量ノリの量が違ったんだと思われます。うちの店では裏地を仕入れる場合はかなりきっちりとした糊の残量をチェックしますが、たとえ糊が少なくっても保管状況の湿度が高いと裏地が変色しやすくなっていきます。  普段出場機会の少ない着物だからこそ、まめに虫干しの時に裏地を見ておいてあげないといけませんね。気になったあなたは、ぜひタンスの中をチェックしてみてくださいね。湿度が高い場合は、着物専用の乾燥剤である「きものの友」をお勧めいたします。  

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投稿者について

名物専務
山形で江戸時代から続く着物専門店の名物専務こと布施 将英。
着物初心者や、着物を着てみたいけど一歩踏みでない方を後押しできるようなブログを書いています。
趣味である音楽やDJは、1stアルバム好みの音故知新スタイル。また得意な筆ペンで書く「らくがきハガキ」は2011年より毎日投函継続中で、手書きチラシも仕事として制作を請け負っています。
着物の動画も多数放出中で、山形の着物屋さんで最も有名なyoutuber着物屋さん。着物初心者に向け他ものや、着物のお手入れについて、着物の HOW TO動画を多数あげていますので、「布施弥七京染店 動画」で検索してみてください。
読書は、ビジネス書や偉人伝の他、司馬遼太郎先生フリーク。音楽同様に温故知新の1st好き。一番好きな司馬遼太郎先生の作品は「梟の城」。全般的に「心へ静かに日を灯す」司馬遼太郎先生の文章が好きです。
他にも温泉・スポーツ観戦・ゴルフ・お笑い・山形のラーメン・ハイキューに造詣が深い昭和47年生れで、布施弥七京染店のスポークスマンとして県内外にて活躍。Facebook・Instagram・Twitterも随時発信中で、お客様の美姿と健康と思い出作りをお手伝いします。

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