卒業と入学について考える
今年ももう年末。
いろんな事に区切りを付ける時期ですね
かくいう私も、年明けには大きな区切りをつけます。
ある意味、卒業するわけです。
先日、お茶に詳しい先生と卒業の話になった
こちらはあなたの素敵なきもの記念日をお手伝いする
布施弥七京染店・やしち屋の専務 布施 将英(@meibutsu_senmu)のブログです。
お稽古には、卒業はない。習い事には卒業がある。
お茶の先生とお茶道の話になりました。着物業界と一緒で、お茶、着物、和の道を卒業する人はいても、入学する人がいないんだという話に。これはきっと、日本のライフスタイル変容からくるもので、お茶・着物だけに限らず、お花・お庭・畳・和室など、色んな日本古来の文化が減少傾向にあるという流れ。
こればっかりは、本当にどうしようもないわけで。歯止めがかからないわけです。そんな中でお茶離れ着物離れが進む中で、先生は茶道について興味を持つ人を増やしたいそうだ。どうしても「あるべき論」や「堅苦しい決まりごと」が先行する中で、もうちょっと自由度が高く志す人を増やしたいんだとおっしゃる。
なるほど同意見で、先生のお考えにうんうんと大きく共感した。
しかし相手は大先生。その後に頂いた言葉が、とても迫力があった。
習い事には卒業があるけどね、お稽古には卒業はないの。
非常に言葉の重みがあって、さすが先生!と思った。
稽古というのは、人生修行のような意味合いだと、個人的に理解しています
こうやってわけてみると、稽古というのは、職業レベルなのかなぁ
習い事、稽古、訓練、修行の違い
稽古
稽古の稽には「考える」という意味があるそうで、古(いにしえ)を考える、「昔の事を調べ今すべきことを考える」という原義があるようです。原点へ遡って温故知新していく行為が稽古。
訓練
訓練の目的は体得させることにあります。条件反射を身につけるべく徹底的に身体で覚えるのが訓練。つまり犬などにおこなうトレーニングは皆訓練。お稽古とは全く違う世界です。
修行
修行とは悟りを開く事。仏教では相対的幸福から開放され絶対的幸福を追求することを指すようですが、各々の世界・業界で悟りを開く行為も含まれるのではないかしら。ひとつの世界で悟りが開けたら全部繋がりますけどね。
最後に習い事。
何だか曖昧な言葉だなと思って調べてみたら、『稽古事』という言葉の古臭さを嫌って生まれてきた言葉らしい。が、稽古とは随分ニュアンスが違うように思います。
大人にしろ子供にしろ、人気の習い事は『自分で頑張れば何とかなるもの』がほとんど。第三者による不確定要素が無く、先人の教えを遡る必要もない。自分ひとりで達成できちゃうものが習い事として成り立つというちょっと不思議な現実があるように思います。稽古よりむしろ訓練(練習)に近い。それが今流行りの『習い事』と呼ばれるもの。
英語だとlesson(稽古)とpractice(練習)は明確に違います。日本語は言葉がとっても多様で、それが面白さだったり繊細さだったりを生むわけですが、きちんと考えて使わないとどんどん乱れてかえってややこしくなりますね。
一芸に秀でる方は全てに通じる
僕はこの言葉が好きです。何か特技のある人は強い。その道を極めるためには、それなりの修行も稽古も必要です。一つの物事に集中するチカラを付けるには、お稽古は最適だと思います。うちの子には、まったくお稽古事させてなく、プラクティスしかない専務の自宅です(汗)
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投稿者について
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山形で江戸時代から続く着物専門店の名物専務こと布施 将英。
着物初心者や、着物を着てみたいけど一歩踏みでない方を後押しできるようなブログを書いています。
趣味である音楽やDJは、1stアルバム好みの音故知新スタイル。また得意な筆ペンで書く「らくがきハガキ」は2011年より毎日投函継続中で、手書きチラシも仕事として制作を請け負っています。
着物の動画も多数放出中で、山形の着物屋さんで最も有名なyoutuber着物屋さん。着物初心者に向け他ものや、着物のお手入れについて、着物の HOW TO動画を多数あげていますので、「布施弥七京染店 動画」で検索してみてください。
読書は、ビジネス書や偉人伝の他、司馬遼太郎先生フリーク。音楽同様に温故知新の1st好き。一番好きな司馬遼太郎先生の作品は「梟の城」。全般的に「心へ静かに日を灯す」司馬遼太郎先生の文章が好きです。
他にも温泉・スポーツ観戦・ゴルフ・お笑い・山形のラーメン・ハイキューに造詣が深い昭和47年生れで、布施弥七京染店のスポークスマンとして県内外にて活躍。Facebook・Instagram・Twitterも随時発信中で、お客様の美姿と健康と思い出作りをお手伝いします。
最終投稿
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