着物初心者でも安心☆親が卒業式に着物で行く場合、何を着ていけばいいの?

親御さんが卒業式に着物で出席する場合の話。

3月も終盤になり、卒業式シーズンが一段落しました。今年に限っては、卒業式に出席する親御さんの着付けのお手伝いがとても多かったです。日々発信している SNS での情報やブログの影響も多少なりともあったのではないかと、自画自賛しております(笑)

こちらはあなたの素敵なきもの記念日をお手伝いする
布施弥七京染店の専務 布施 将英(@meibutsu_senmu)のブログです。

親が卒業式に着物で行く場合、何を着ていけばいいの?

改めて書きますが、卒業式に親御さんが着物姿で出席する際、一番正式な出で立ちは色紋付です。背中に一つ紋の入った色無地のことです。洋服で言うところの、礼服というカテゴリーでしょうか。卒業式という式典ですから、うんと正式なTPOになるかと思います。

これを踏まえた上で、卒業式に親御さんが着物で出席する際のことを書いてみようと思います。またこのブログは、私の主観を元に書いています。さらには今回このブログを書くにあたって、日本全国のいろんな着物屋さんに電話をしました。日本橋にある有名な百貨店さんや、銀座にある有名な百貨店さん。または全国的にも有名な着物チェーン店さん。都道府県にある、有名な地元の着物専門店さん。とにかくありとあらゆる系統のお店に電話して聞いた情報も含めて、お伝えしてみようと思います。

着ていくものに、大きく分けて3つの意見がありました。

山形にある大学の卒業式会場風景
山形にある大学の卒業式会場風景

日本全国のいろんな着物屋さんに20件ほど電話して確認してみたところ、感度は違えどもある程度皆さんは同じ意見でした。大きく系統として分けると3つあったようです。

A・式典なので、色紋付を着用して下さい。(5%)

B・色紋付が良いかと思いますが、なければ柄物で結構ですよ(55%)

C・紬や小紋でなければ、何着ても構いませんよ。お好きなのを着てください。(45%)

 

Aに関して

こちらは新宿にあるとある百貨店さん。お電話口に出られた方は、年配の女性担当者でした。非常に話した感じは柔らかいのですが、TPOに対する着物のルールをしっかりと尊重される方で、無地をお召しになってくださいねとのこと。逆に言えば、卒業式という式典では、モンの入ったものしか着用しちゃいけません。ですから式典の TPO で言えば、色紋付ということでしょうねえ。と言うお話でした。

Bに関して

日本橋にある有名百貨店さんや、山形の百貨店さん。並びに都道府県の有名着物専門店さんにて、柔らかくこうおっしゃっていただいてます。前出のAとは違って、色紋付でなければいけませんというスタンスではありません。本来でしたら色紋付ということですが、お持ちでなければ柄物でも構いませんよ、というアドバイス。マストで色無地ではないということです。

Cに関して

全国チェーンの着物屋さんや、テナントに入っている着物屋さんでは、このタイプの答えが多かったです。もちろん小紋や大島紬で出席しようという話ではありませんで、フォーマルシーンの訪問着や付下と言うことなわけです。

ABCと二十件ほど電話で確認してみましたが、どの着物屋さんでも以上に丁寧に応対してくれました。「着物で卒業式に親御さんが出席するということは、とても喜ばしいことですよね〜。我々着物業界の人間としても、ぜひそんな親御さんを応援したいと思っていますよ」とお声掛けいただく着物屋さんが非常に多く、うちと同じ気持ちの着物屋さんが多いんだなぁと実感しました。

式典なので色無地がマスト!?なら、洋服で出席の人は、みんな礼服で出席してる?

今回この電話をしていてわかったことがあります。それはお店にとってこの質問に対して、とってもファジーだということです。Aの百貨店さんで対応して頂いた方は、色無地がマストとお答えになりました。ですがこのお店でお勤めてらっしゃる別の方に聞いたら、きっともうちょっとゆるい答えが返ってくる気がします。お店としての意見と、現場の対応してくれる方の意見に若干のファジーさがあるということを感じました。

Cとお答えになった着物屋さんには、「色紋付がマストではありませんか?」と質問してみると、洋服に例えてお答えになられた着物屋さんもあります。お答えとしては非常に上手な例えだなぁと思って拝聴しました。「色紋付がマストだとすると、 洋服で出席する方たちは皆さん礼服や燕尾服をお召しなんでしょうかね?」とおっしゃいました。なるほどという感じです。実際に卒業式の会場に行ってみると、洋服出席者のうち9割以上が礼服ではないカラースーツ。在るべき論は式典だから着物で言えば色紋付は分かるけど、やはり卒業式の現場では、カラースーツなんだという現状です。着物を着る人だけ「礼服に相当な色紋付で!」と言われて、洋服の人はカラースーツで普通。それって、どうなのよって思うのです。

着物にお詳しい達人の方たちは、着物のルールに関してしっかりと踏まえてらっしゃいます。私も TPO に関してはある一定基準は非常に大切だと思っていますが、あまりにもそこを重視してしまうと、せっかく着物を着ようと思ったビギナーさんの気持ちに蓋をしてしまうと思います。

最近感じるのですが、僕たちの仕事は、 着物を着ようと思った人の背中を、押して上げることなんじゃないかなぁって、感じています。

何も、小紋だろうが十日町の絹織物だろうが、なんでも良いから卒業式に着物を着ようと提唱しているわけではありません。難しいことを言えば言うほどに、新しく着物を着てみようという人が居なくなる。普段全く着物を着ない人が、

「卒業式だから、久しぶりに着物を着てみようかしら」

という人に「式典ですから色紋付しか着れませんよ!」なんて、僕は言わないということです。色んな着物屋さんがあっていいと思いますが、僕のいる布施弥七京染店は、そういうスタンスです。

たくさんの着物姿が増えますように☆

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投稿者について

名物専務
山形で江戸時代から続く着物専門店の名物専務こと布施 将英。
着物初心者や、着物を着てみたいけど一歩踏みでない方を後押しできるようなブログを書いています。
趣味である音楽やDJは、1stアルバム好みの音故知新スタイル。また得意な筆ペンで書く「らくがきハガキ」は2011年より毎日投函継続中で、手書きチラシも仕事として制作を請け負っています。
着物の動画も多数放出中で、山形の着物屋さんで最も有名なyoutuber着物屋さん。着物初心者に向け他ものや、着物のお手入れについて、着物の HOW TO動画を多数あげていますので、「布施弥七京染店 動画」で検索してみてください。
読書は、ビジネス書や偉人伝の他、司馬遼太郎先生フリーク。音楽同様に温故知新の1st好き。一番好きな司馬遼太郎先生の作品は「梟の城」。全般的に「心へ静かに日を灯す」司馬遼太郎先生の文章が好きです。
他にも温泉・スポーツ観戦・ゴルフ・お笑い・山形のラーメン・ハイキューに造詣が深い昭和47年生れで、布施弥七京染店のスポークスマンとして県内外にて活躍。Facebook・Instagram・Twitterも随時発信中で、お客様の美姿と健康と思い出作りをお手伝いします。

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