勝負の夏羽織を着て、大舞台(汗・笑)貴久樹の紋紗、これは別格です。

憧れのブランド、貴久樹との出会い

着物好きの間で、「貴久樹(きくじゅ)」という名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。1987年に京都に工房を構え、インドやアジア各地の伝統的な素材・技法を和の世界へと昇華させてきた、まさに唯一無二のブランドです。ムガシルクやタッサーシルクといった野蚕糸を使った手織りの生地は、「シルクの宝石」とも称されるほどの輝きと風合いを持ちます。そんな憧れのブランド・貴久樹で、この夏のために誂えた羽織が、ついに手元に届きました。箱を開けた瞬間、思わず「あ……」と声が出てしまったほど。着物好きとして長年歩んできた私も、心がときめいた一枚です。

紋紗の生地が放つ、圧倒的な存在感

今回誂えたのは、夏用の「紋紗(もんしゃ)」生地の羽織です。紋紗とは、薄くて軽やかな紗の生地に紋様を織り込んだもの。涼しさと美しさを両立させた、夏着物の醍醐味ともいえる素材です。貴久樹の紋紗は、そこにさらに野蚕糸ならではの光沢が加わり、もうただただ「別格」のひとことに尽きます。生地全体に織り込まれた紋様が、光の角度によってさりげなく浮かび上がる様子は、見ていて飽きることがありません。派手さはないのに、確かな存在感がある。それが貴久樹の紋紗の、なんとも憎いところです。

壇上での「勝負羽織」、遠目でも伝わる存在感

この羽織、実はすでに「勝負の場」で活躍してくれました。先日、山形県高等学校PTA連合会の研修会にて、壇上でご挨拶をする機会をいただいたのですが、そのときに迷わずこの貴久樹の紋紗羽織を選びました。会場に集まった多くの方々を前に、マイクの前へ立つ——そんな晴れの場に、この一枚はまさにぴったりでした。後日、友人が撮ってくれた写真を見てびっくり。ホール全体が写った遠目の写真なのに、羽織の艶と存在感がしっかりと伝わってくるのです。着物や織物に詳しくない方でも「あれ、いい羽織だな」とひと目でわかる輝き——これが貴久樹の底力だと、改めて実感した瞬間でした。さすがです。

まとう喜びが違う。やっぱりいいものはいい。

「いいものを纏う」という体験は、気持ちまで変えてくれます。この貴久樹の紋紗羽織を羽織った瞬間、背筋がすっと伸びるような感覚がありました。軽くて、涼しくて、それでいて確かな存在感がある。着物の世界には「手が語る」という言葉がありますが、まさに職人の手仕事が語りかけてくるような一枚です。夏の着物時間が、またひとつ豊かになりそうです。貴久樹の世界に触れてみたいという方は、ぜひ一度、実物を手に取ってみてください。写真では伝えきれない光沢と風合いが、きっとあなたの心もつかんで離さないはずです。

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