決して対岸の火事ではない。有名老舗書店の閉店に思う、着物屋の未来。

老舗書店の閉店に、着物屋の専務が思った事

都内の繁華街・六本木の中心部でおよそ40年間営業を続け、独自の品揃えで人気を集めた「青山ブックセンター六本木店」が25日、閉店しました。1980年にお店を初めて38年、幾多の人生にきっかけを与えた書店さんだったんだろう。僕はこのニュースを見て、とっても悲しい気分になったし、時代の流れを感じました。今日はこの件について書いてみようと思う。こちらはあなたの素敵なきもの記念日をお手伝いする 布施弥七京染店の専務 布施 将英(@meibutsu_senmu)のブログです。

時流の変化が早い世の中で、アナログはデジタルに変換されたのか?


個人的にも書籍を購入する頻度が低くなっているので、興味深いニュースでした

六本木の名物書店が閉店、1980年からの歴史に幕

1980年に開店した「青山ブックセンター六本木店」。美術、デザイン関係の専門書を数多く取りそろえるなど、一般的な書店とは一線を画した独自の店作りに加え、朝5時までの「深夜営業」が人気を集めました。しかし、東日本大震災以降に深夜営業を中止したことや、専門書の売れ行きが落ちたことなどから売上げが伸び悩んでいたということです。若者の活字離れやネット通販の普及により“まちの書店”の苦境が続くなか、名物書店がまたひとつ、惜しまれながら姿を消しました。

AppleのスティーブジョブズがiPhoneを作ったことから、音楽業界では同じような流れが出てきました。書籍が売れないことと同じように、CD・レコードも売れなくなっていきました。CDというパッケージ商品を買うというよりは、データでダウンロードするという購入形態。またネットインフラの確立から、書店で買うということよりもネットで購入するという消費形態が常態化しつつある現在、音楽も書籍もデジタルな手法で入手する事が、今の主流となってきた。書籍については、こんなデータがあります。

2000年から比べると、店舗数が4割減になっている。帝国データバンクの「出版業界 2012年度決算調査」では、2012年の売上高トップは紀伊國屋書店で約1081億円。次いでブックオフコーポレーションの586億円、ジュンク堂書店と有隣堂が513億円と並ぶ。数字だけみると大きく見えるけど、売上トップ10社のうち6社が前年比で売上減。うち3社は2年連続減収。状況は非常に厳しい。

「立ち読み」や「偶然の出合い」の強みはあっても、ネットの波が強い


ある出版社では、10年も前から「これからの書店は、よほどの特色がないと難しいよね」「これから書店に就職する人は、どんな人なのだろう」と囁かれていたと言います。。業界の中の口コミにも、書店で働く人の不安の声が見られていたようです。

リアル書店低迷の原因として「ネット書店の台頭」を指摘する声が多いのは無理もありません。先ほどのネットインスラと、Appleの台頭です。そしてネット販売最大手のアマゾンは、2012年の日本国内の売上だけで7300億円超。仮に4割が書籍・雑誌の売上だとしても2190億円にも上り、上位数社分を占めるような状況。

リアル書店のよさは、立ち読みができることや、本との偶然の出会いが期待できることではあります。しかしいまでは書評ブログで本の魅力が語られ、目次構成は出版社のホームページでも公開されている昨今。オススメの類書もレコメンド(推薦)機能で自動的に表示されるので、在庫を抱えていない小さな書店よりネットの方が情報も商品も多い。書けば書くほどに本屋さんは分が悪くなってくる。では、本屋さんの強みを紐解いてみましょう。

着物屋さんの本当の商品って、なんだろう?


今回の老舗書籍店の閉店を受けて、改めてその店の本当の商品はなんだろうという事を見直してみたいと思います。その前に、他の業態の本当の商品を紐解いてみようと思います。

クロネコヤマトさんの場合

主な業務は、荷物を運ぶ事。でも、本当の商品(その店の価値)は、正確さや時間。

吉野家の牛丼の場合

主な商品は、牛丼。でも、本当の商品(その店の価値)は、速さ、安さ、美味さ。

虎屋さんの羊羹の場合

主な商品は、羊羹。でも、本当の商品(その店の価値)は、のれんやステイタス。

スターバックスさんの場合

主な商品は、コーヒー。でも、本当の商品(その店の価値)は、ゆったりとした空間や居心地。

みんお店で売っている本質が大事だと思うのです。店によって価値や強みは違いますが、本当の商品や価値にフォーカスされて店の力が強くなっていくんだと思うのです。では件の書店さんの本当の商品はなんでしょう。

本屋さんの場合

主な商品は、書籍。ボールペンでも、文房具でも、手帳でもありません。書籍が強みです。
でも、本当の商品(その店の価値)は、きっと売り場が出す書籍という情報の鮮度。バイヤーが本売り場を見ると、その書店の鮮度がいいかどうかはすぐわかるそうです。書店の場合は、本のセレクトという目利きの力と、今の時代のトレンドを読む力が情報の鮮度となり、その売り場の本当の価値になるようです。

では、着物屋さんの本当の商品はなんだろう?

着物屋さんの強みは、お客様と築く関係性の深さと、担当員というキャラクターです。


着物屋さんの商品は、呉服・服飾品・宝飾品。でも本当の強みや価値は、お客様との関係性構築力です。そしてその関係性を作る人間力。リッツカールトンのホスピタリティーにも通じますが、相手の方から名指しでご用命賜る力が、着物屋さんの本当の商品だと感じています。

もちろん着物に関する商品知識だったり、コーディネート力だったり、色んなケーススタディや経験値にかんしては、最低限度必要なのは言うまでもありません。でも、そこがあったとして、着物でさえネットで買えるようになった今では、名指しでご指名頂く力が着物屋さんとしての本当の価値だと思う。

名指しで選んでもらうために、店の歴史やセンス・商品力・商品知識・コミュニケーション能力・そして相手に好かれる力と、平均点を上回る力が必要だと思います。

着物だってネットで買おうと思えば買えるこの時代。だけど着物の場合は仕立てもあるし専門知識がないとなかなかネットで買えないし、着た後のお手入れだって必要とくると、本屋さんに比べればまだまだ活路はあるように見えます。だけど、マーケットの縮小が本屋さんの比じゃないくらいに急降下。環境こそ違えど状況のアゲインスト具合はイーブンです汗(笑)

今回の本屋さんの件で、なおさら自分の店の強みを際立たせないといけないと思った。


今回の本屋さんの件で、今からは着物屋さんだけでなく、色んな業種がライフスタイルとテクノロジーによって業態の返還を余儀なくされる時が来ると思っています。では、我々のような斜陽産業だったり、個人事業主はなくなっていかなければいけないんでしょうか?

答えは違います。自分の店からお客様に買ってもらう理由があれば、そのお店が続いていきます。お店に来てもらう理由、お店に来たくなるようなイベント、お店を選んでしまうような担当者や店の有名人、同じ趣味で繋がるような仲間作りを、今まで以上にしていかなければ、今回のような本屋さんの事件みたいになっちゃうと思っています。

そのためにやっていくべきことは店によって違うんでしょうけど、やっぱり新規開拓よりもまず、今ご縁いただいている皆さんにより喜んでいただける環境づくりが第一歩。その上で今の店の価値をより高めていって、強みによる部分の商いを増やしていくしかないと思っています。今後とも色々と取り組んでいきたいと思っていますので、ぜひブログでチェックして頂けたら嬉しいです。またこのブログをきっかけにご来店いただけたら、さらに嬉しいです。

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投稿者について

名物専務
山形で江戸時代から続く着物専門店の名物専務こと布施 将英。
http://mag.kimonokinenbi.com/2018/06/11/611/
主に着物初心者や、着物を着てみたいけど一歩踏みでない方を後押しできるようなブログを書いています。ブログは2008年からスタートしており、合計4000記事超えで毎日更新中。ココ2年ほどは、ようやくまともな着物屋さんのブログになってきました。
趣味である音楽やDJ・は、!stアルバム好みの音故知新スタイル。また得意な筆ペンで書く「らくがきハガキ」は2011年より毎日投函継続中で、手書きチラシも仕事として制作を請け負っています。また読書も好きで、ビジネス書や偉人伝の他、司馬遼太郎先生フリーク。音楽同様に温故知新の1st好き。一番好きな司馬遼太郎先生の作品は「梟の城」。全般的に「心へ静かに日を灯す」司馬遼太郎先生の文章が好きです。
他にも温泉・スポーツ観戦・ゴルフ・お笑い・山形のラーメン・ハイキューに造詣が深い昭和47年生れで、布施弥七京染店のスポークスマンとして県内外にて活躍。Facebook・Instagram・Twitter・Youtubeも随時発信中で、お客様の美姿と健康と思い出作りをお手伝いします。

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